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司法書士の一人言

Soliloquy

» 遺言③

公開日:2017.7.3

昨日は平成29年度司法書士試験の日でした。

試験を受けた方、お疲れ様でした。

ゆっくり休んでください。

私もちょうど7年前ですね。懐かしいです。

司法書士試験については機会があったら記事にしたいと思います。

 

では、本題です。前回は遺言の必要性の具体例を紹介しました。

今回は遺言の種類からスタートします。

 

遺言の種類

遺言の種類って実は結構あるのです。

まず、くくりとしては普通方式と特別方式に分けられます。

 

(普通の方式による遺言の種類)

第967条  遺言は、自筆証書、公正証書又は秘密証書によってしなければならない。ただし、特別の方式によることを許す場合は、この限りでない。

 民法967条に書いてある通り、普通方式には3種類のパターンがあります。

では、まず普通方式から書いていきます。

 

 自筆証書遺言

(自筆証書遺言)

第968条  自筆証書によって遺言をするには、遺言者が、その全文、日付及び氏名を自書し、これに印を押さなければならない。

2  自筆証書中の加除その他の変更は、遺言者が、その場所を指示し、これを変更した旨を付記して特にこれに署名し、かつ、その変更の場所に印を押さなければ、その効力を生じない。

 自筆証書遺言については、この部分では書ききれないので項目を別にして書きたいと思います。これをお読み頂いている方は、ご自身で遺言を書いてみようと思っている方だと推測します。ただ、書くだけではダメなのです。ちゃんとしたルールに従わないとならないのです。

自筆証書遺言として認められるには絶対に守らないといけないことが次の4つです。

①全文の自書

②日付

③氏名

④押印

この4つについて、今後じっくり解説していきます。

 

公正証書遺言

(公正証書遺言)

第969条  公正証書によって遺言をするには、次に掲げる方式に従わなければならない。

一  証人2人以上の立会いがあること。

二  遺言者が遺言の趣旨を公証人に口授すること。

三  公証人が、遺言者の口述を筆記し、これを遺言者及び証人に読み聞かせ、又は閲覧させること。

四  遺言者及び証人が、筆記の正確なことを承認した後、各自これに署名し、印を押すこと。ただし、遺言者が署名することができない場合は、公証人がその事由を付記して、署名に代えることができる。

五  公証人が、その証書は前各号に掲げる方式に従って作ったものである旨を付記して、これに署名し、印を押すこと。

 遺言は公正証書遺言で書きましょうなどとよく耳にすると思います。前記の自筆証書遺言か公正証書遺言の2種類が一般的でしょう。自分で書くか、公正証書で作るかです。

公正証書遺言を作成する場合には公証人の関与が必要となります。

そもそも、公証人って誰ってなるところですが、東京公証人協会のホームページに次の記載がありました。

 

公証人とは、法律の専門家であって、当事者その他の関係人の嘱託により「公証」をする国家機関です。公証人は、裁判官、検察官、弁護士あるいは法務局長や司法書士など長年法律関係の仕事をしていた人の中から法務大臣が任命します。公証人が執務する場所を「公証役場」と呼んでいます。

 

依頼により、公正証書を作成してくれる専門機関ってところでしょうか。

公正証書遺言について戻ります。

公正証書遺言を作成するために必要な条件が次の5つです。

①証人二人以上の立会

②遺言者が遺言の趣旨を公証人に口授

③公証人が遺言者の口授を筆記し、これを遺言者及び証人に読み聞かせる(閲覧させる)

④遺言者及び証人が公証人の筆記が正確であることを承認したあと、各自署名押印する。

⑤公証人も署名押印

という様な流れを経て作成されます。

民法上の流れは上記のとおりですが、実際は私に依頼して頂いた場合ですが、遺言者がどのような遺言を書きたいのかを聴取し、遺言の案を作成し公証人と打ち合わせをします。その後、遺言者及び証人が公証役場に赴き、打ち合わせした内容を公証人が遺言者に読み聞かせ、各自署名捺印するといった流れです。遺言の正本及び謄本を各1通くれます。

 

中途半端になってしまいましたが今回はここまでです。

次回は普通方式の最後の一つ秘密証書遺言から書きます。